唐招提寺は唐の高僧・鑑真大和上により天平宝字3年(759)に創建され、井上靖氏の小説「天平の甍」の呼び名で親しまれている「金堂」(国宝)は、今回の大修理によって中世の大改修は行なわれず、江戸・明治時代の2回の大修理が行われたことが判明しました。創建以来、約900年の長きに亘って金堂は建ち続けたのです。

平成7年(1995)の阪神淡路大震災をきっかけに文化財建造物の耐震性が再認識されるなかで、平成10年(1998)には、金堂を含む唐招提寺の伽藍建築が世界文化遺産となり、その保存に対する機運の高まるなか、国宝唐招提寺金堂保存修理事業専門委員会が結成されて、2年間に及ぶ建物調査が実施されました。

これらの調査結果を踏まえて、平成12年(2000)より奈良県教育委員会文化財保存事務所の主導による10年を要する「金堂平成大修理事業」がはじまりました。

この度の大修理は、創建以来最大規模の大修理であるとともに、現代の建築技術の粋を結集して構造補強を行い、多方面からの調査によって数々の新知見が得られました。
金堂平成大修理事業のあゆみ
1998年 4月 金堂修理の為の調査事業着手
  10月 国宝唐招提寺金堂保存修理事業専門委員会発足
  12月 「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録
2000年 1月 金堂修理事業開始
  9月 境内に仏像修理所建設
  12月 金堂素屋根完成 盧舎那仏・千手観音搬出
2001年 4月 金堂解体調査着手
2003年 3月 盧舎那仏・千手観音保存修理(前期)終了
  12月 金堂解体調査終了
2004年 1月 金堂基壇発掘調査
2005年 1月 金堂の組立を開始
  3月 立柱式
2006年 7月 薬師如来保存修理着手
  11月 金堂上棟式
2007年 8月 平成の鴟尾開眼法要
2008年 2月 金堂組立完了
  4月 三尊保存修理(後期)開始
  7月 金堂素屋根解体完了
  9月 金堂三尊 堂内へ搬入完了、組立開始
2009年 11月 金堂平成大修理落慶法要